とりわけ世間の注目を集めたのが、最年長の中澤裕子との関係性です。社会人経験を経て後がない覚悟でオーディションに挑んでいた中澤に対し、福田はまだ義務教育下にある中学生。プロ意識の基準や生活リズム、価値観の乖離は決定的なものがありました。
当時の証言によると、中澤はグループをまとめ上げる重圧から常にピリピリとしたオーラを放っており、年少組に対して厳しい視線を向けることも少なくありませんでした。福田にとって中澤は「怒らせてはいけない絶対的な存在」であり、相談や弱音を吐くことなど到底不可能な距離感だったといいます。
一方で、メインボーカルの座を競い合っていた安倍なつみとの間にも、言葉には出さないライバル意識が渦巻いていました。シングル『Memory 青春の光』のレコーディングやパート割りにおいて、歌唱力で突出していた福田と、天性のアイドル性を持つ安倍との間で生じた緊張関係は、グループ内の人間関係をより複雑なものへと変貌させていきました。