従来のグルメ番組といえば、洗練されたタレントが綺麗な店内で食レポを行うのがお決まりのパターンだった。しかし本作が切り開いたのは、個人クリエイターが先行したモトブログ・ツーリングの野性味と、プロのドキュメンタリー手法の完全な融合だ。ヘルメット越しに聞こえる荒い息遣い、アスファルトを叩くマフラーの重低音、そして油の跳ねる音がシームレスに交差する。
画面から漂うのは、観光ガイドには絶対に載らない裏道の匂いだ。フランクがバイクを止め、ヘルメットを脱いだ瞬間に始まる現地の人々とのセッション。それは演出された旅・リアリティ番組の域を完全に脱し、ロードムービーの美学すら漂わせている。