ネット掲示板やSNS、地域のコミュニティで交わされる通勤・通学者の生の声からは、データだけでは読み取れない移動のリアルが浮かび上がってきます。
総社市内から倉敷駅前の企業へ車通勤していた30代男性は、当時の苦渋に満ちた体験を次のように語っています。
「当初は車の方がプライベート空間を確保できて楽だと考えていましたが、国道429号のイオン前渋滞で毎日神経をすり減らしました。雨の日の金曜夕方などは総社に戻るだけで1時間近くかかり、結局、総社駅近くに月極駐車場を借りてJR伯備線通勤に切り替えました。車内で本が読めるようになり、帰宅後の疲労感がまるで違います。」
一方で、JR伯備線利用者の間でも独自の悩みや現場の証言が存在します。
「伯備線は単線区間を多く抱える路線のため、新見方面や山陰方面からの特急やくもが豪雨や強風、積雪で遅延すると、玉突きで普通列車にも数分〜十数分の遅れが発生することがあります。とはいえ、倉敷〜総社間は運転見合わせにまで至るケースは稀。台風直撃などを除けば、車で渋滞にハマるよりはるかに計算が立ちます。」(総社市在住の大学院生)
また、昨今の健康ブームや電動アシスト自転車の普及により、総社から倉敷への自転車ルートを試みる層も存在します。高梁川沿いには「倉敷総社自転車道線」をはじめとするサイクリングコースが整備されており、信号に遮られずペダルを漕ぎ続けられる爽快感があります。片道約12kmはロードバイクやクロスバイクなら35〜45分程度。ただし利用者の証言によると、「春や秋は最高だが、夏場の直射日光と冬の高梁川から吹き降ろす北風は過酷を極める。着替えの確保や雨天時の代替手段を確立していないと毎日の継続は厳しい」というのが偽らざる現場の実態です。