『天までとどけ』を語る上で欠かせないのが、温かく厳しく子どもたちを育てた両親役の名優たちと、個性豊かな子どもたちの存在です。ドラマを支えた主要キャストの歩みは、時代の変遷とともに大きく動きました。
母・定子役として日本中から理想の母親像と親しまれた岡江久美子さんは、2020年4月に新型コロナウイルス感染症による肺炎のため急逝されました。また、寡黙ながらも深い愛情で一家を支えた父・雄平役の綿引勝彦さんも、2020年12月に膵臓がんのため惜しまれつつこの世を去りました。物語の柱であった両親が相次いで鬼籍に入られたことは、作品ファンのみならず映像業界全体に深い喪失感を与えています。
一方、子役キャスト一覧を振り返ると、それぞれの人生は多岐にわたっています。
長男・正平役を演じた高木晋哉さんは俳優業を引退し、一般企業へ就職。次男・信平役の河相我聞さんは実力派俳優として現在も第一線で活躍を続けています。三男・公平役の金杉太朗さんは俳優として活動を続けていましたが、2008年に不慮の事故により33歳の若さで亡くなられました。長女・待子役の若林志穂さんは芸能界を引退、四男・五郎役の須藤公一さんはバイプレイヤーとして活動を継続するなど、成人後に芸能界に残った者と一般社会へ戻った者で明暗が分かれています。一般人として生活している元子役たちに対するプライバシー配慮の観点からも、公式な再配信許諾のハードルは年々高まっています。