レキサルティを飲み始めてから心身に明確な変化を感じるまでの日数について、製造元である大塚製薬の国内第III相臨床試験データや精神医療の臨床現場における観察記録は、適応疾患ごとに異なる時間軸を示しています。
抗うつ薬(SSRIやSNRIなど)にレキサルティを上乗せするレキサルティうつ病増強療法の場合、レキサルティ効果実感2週間というデータが一つの大きな節目となります。臨床試験におけるMADRS(モンゴメリー・アスベルグうつ病評価尺度)スコアの推移を見ると、投与開始後1〜2週目の段階でプラセボ群との有意な改善差が開き始めます。睡眠導入剤や抗不安薬のように飲んで数十分で効く「即効薬」ではないものの、従来の抗うつ薬単剤が4〜6週間を要することと比較すれば、立ち上がりは比較的早い部類に属します。
一方、レキサルティ統合失調症効果推移においては、急性期の幻覚や妄想などの陽性症状を鎮静させるまでに2〜4週間前後、意欲低下や感情の平板化といった陰性症状、あるいは認知機能の安定化を実感するまでには2〜3か月間の継続観察を要するのが標準的です。受容体への結合が段階的に安定していくプロセスを辿るため、数日間の服用で効果を判断するのは時期尚早といえます。