子どもの卵アレルギーや牛乳アレルギーは、成長に伴って腸管免疫が発達し、就学前後までに約80%以上が自然寛解(治癒)することが知られている。しかし残念ながら、成人が発症した甲殻類アレルギーの自然治癒率は約10%未満と極めて低く、一度獲得した感作状態は生涯にわたって継続しやすいのが現実だ。
とはいえ、医学の進歩により治療と診断の選択肢は着実に進化している。現在のアレルギー診療では、単に「エビ」という食材全体を調べるだけでなく、原因分子ごとに感作状況を細分化して評価するコンポーネント解析診断の導入が進んでいる。
また、重症食物アレルギー患者を対象とした抗IgE抗体製剤(オマリズマブ等)の併用療法や、厳密な管理下で極微量ずつ摂取して耐性を誘導する経口免疫療法の臨床研究が世界各国で加速している。将来的には完全な除去生活から脱却できる治療法の確立が強く期待されている。