原作の平田和道は、淡々とした筆致の中に潜む人間の底知れなさが際立つキャラクターだ。しかし映像化にあたり、林遣都はその内面に「なぜ彼がそこまで追い詰められたのか」という肉体的な説得力を与えた。
警察学校という過酷な訓練環境を表現するため、クランクイン前から所作や訓練の動きを体に叩き込んだ。その上で、規律に馴染めない異物感をわずかな視線の揺れや立ち姿で表現する。緻密に計算された役作りと、現場で風間教官を前にして湧き上がった生々しい衝動。その二つが融合したからこそ、視聴者の心をえぐるようなリアリティが生まれたのだ。