群馬県利根郡みなかみ町下津の街道沿いに佇む「高橋の若どり」は、派手な看板や大規模な宣伝を一切行っていません。それにもかかわらず、週末ともなればオープン直後から注文の電話が鳴り止まず、店頭の受け渡しカウンターには次々と焼きたての包みが積み上がっていきます。
長年通い詰める地元住民は、その熱狂の背景を次のように証言します。「子どもの頃から誕生日やクリスマス、親戚が集まる日は必ず高橋の若どりだった。冷めても肉が柔らかく、旨味が一切抜けない。この味はチェーン店やコンビニのフライドチキンでは絶対に代用できない」。家庭の団らんと深く結びついたソウルフードとしての歴史が、強固なリピーター基盤を形成しています。
さらに近年では、SNSや口コミサイトを通じてアウトドア愛好家やツーリング客の間で情報が拡散。キャンプ場へ向かう前にクーラーボックスへ詰め込むメイン食材として、あるいは温泉宿での部屋飲みのおつまみとして買い求める観光客が急増しました。地域密着の惣菜店から全国区のデスティネーション・グルメへと昇華を遂げています。