本作のメガホンをとるのは、映画『ドロップ』や『OUT』で鋭利なアクション演出と若者たちのリアルな群像劇を描き出し、独自のポジショニングを確立した品川ヒロシ監督だ。これまで生々しい熱量と暴力衝動を映像化してきた彼が、今作では一転して人間の業や孤独、救済を描く重厚なヒューマンドラマに挑む。
「尖ったエッジを殺さずに、大人の琴線に触れる人間模様を描く」。その言葉通り、監督ならではの軽妙な掛け合いとテンポ感はそのままに、深い情感が宿る映像美が展開される。彼のキャリアにおいて最高傑作となる確信が、画面の端々から漂っている。