津山駅から北へと伸びるJR因美線(いんびせん)は、鉄路の旅を愛する人々にとって憧れのルートだ。美作加茂駅(みまさかかもえき)をはじめとする駅舎は、木造の温もりを残したレトロな佇まいで、訪れる者をノスタルジックな世界へと誘う。
ガタゴトと揺れる一両編成のディーゼルカーの車窓からは、山あいに広がる田園風景や加茂川の清流が絵画のように広がる。車移動が主流の時代だからこそ、あえて時間をかけて列車で揺られながら訪れる加茂町へのアプローチには、他では味わえない特別なロマンが漂っている。車窓を流れる緑のグラデーションに身をゆだねる時間は、旅のプロローグとして最高贅沢と言えるだろう。