『日本書紀』にも登場し、日本最古の温泉の一つとされる愛媛県松山市の道後温泉。そのシンボルである「道後温泉本館」は、明治時代に建てられた木造三層楼の壮麗な公衆浴場であり、国の重要文化財に指定されている。長年にわたる保存修理工事を経てその魅力を一新した本館は、木々の香りと温かな湯煙が立ち込め、訪れる者を優しく包み込む。
温泉街から目と鼻の先にある四国八十八ヶ所霊場の第51番札所「石手寺」は、そのマニアックかつ深遠な空気感で知られるディープスポットだ。国宝の二王門をくぐり、境内の奥に隠された洞窟「マントラ洞窟」を進むと、そこにはが無数の地蔵や仏像が並ぶ異次元の世界が広がる。古湯の温もりと古代からの信仰心が同居する、松山ならではの濃厚な歴史散歩が楽しめる。