バセドウ病の治療は長期戦になることが一般的です。医学的には「完治」という言葉ではなく、薬物療法などによって甲状腺ホルモンの数値が正常に保たれ、自覚症状が消失した状態を指す「寛解(かんかい)」を目指します。一般的に抗甲状腺薬(メルカゾールやプロパジールなど)の内服を最低でも2年から3年程度継続し、慎重に減薬を進めていきます。
一方、目の変化や腫れが重度になった場合、内科的なアプローチだけでは回復が難しいケースも存在します。その場合、専門の眼科(眼形成外科)において以下のような高度な医療介入が検討されます。
・ステロイドパルス療法:炎症が活発な急性期に大量のステロイドを点滴投与し、組織の炎症を抑える治療法。
・放射線照射療法:目の奥のリンパ球を減少させ、炎症の再燃を防ぐ治療。
・眼窩減圧術(目の手術):突出した眼球を元の位置に戻すため、眼窩の骨を一部削ったり脂肪を切除してスペースを作る外科手術。
また、バセドウ病は風邪などの感染症、過労、強い精神的ストレスをきっかけに再発の兆候(急激な体重減少、異常な発汗、手指の震え、不眠など)が現れるリスクが常に伴います。寛解状態に入った後も、定期的な血液検査でホルモンバランスを監視し続けることが生涯にわたって欠かせません。