今大会最大のハイライトとして陸上史に刻まれたのが、男子110メートルハードル決勝における泉谷駿介(住友電工)の異次元の疾走でした。追い風参考記録ではない公認条件(向かい風0.9m)という厳しい環境下において、泉谷はスタートから完璧なハードリングを披露。自身の持つ日本記録(13秒06)を0秒02更新する13秒04の日本新記録を樹立して3連覇を達成しました。
この記録は当時における世界今季最高峰のタイムであり、世界のファイナルで表彰台を狙える水準に到達したことを証明するものでした。レース後の優勝インタビューで泉谷が見せた「12秒台も見えてきた」という手応え通りの走りは、スタンドの観客総立ちのスタンディングオベーションで称えられました。
また、女子100m決勝ハイライトも見逃せない熱戦となりました。実力者がひしめく中、冷静なレース運びで連覇を果たした君嶋愛梨沙の安定感が光る一方、2位の御家瀬緑(11秒66)、3位の鶴田玲美(11秒67)が100分の1秒を争う激戦を展開。女子短距離界においても次世代を担うスプリンターたちの台頭と熾烈な序列争いが浮き彫りとなりました。