京都国際高校の校歌が韓国語で歌われる背景を紐解くには、終戦直後まで時計の針を戻す必要があります。同校の母体は、1947年に在日朝鮮人の子弟教育のために設立された「京都朝鮮人中等学校」です。その後、1958年に学校法人京都韓国学園として各種学校の認可を受け、長年にわたり在日韓国・朝鮮人社会の教育拠点としての役割を果たしてきました。
大きな転換点を迎えたのは2004年です。少子化や国際化の進展に伴い、日本の学校教育法第1条に定められた正規の学校、いわゆる「一条校」として再編され、現在の「京都国際中学校・高等学校」へと改称しました。この一条校化によって、日本の高等学校卒業資格が得られる一般の高校となり、国籍を問わず広く生徒を募集する環境が整いました。
現在歌われている校歌は、韓国学園時代に作られたものがそのまま受け継がれています。一条校への移行時に校歌の日本語化や全面改訂を議論する声も一部にありましたが、学校法人は「ルーツである歴史的アイデンティティと国際教育の理念を後世に伝える象徴」として、従来の韓国語校歌の維持を決定しました。つまり、政治的な主張として新たに作られたものではなく、70年以上の歴史を紡いできた伝統そのものが今も息づいているのです。