世間へ決定的なインパクトを与えたのが、1992年春に放送されたカネボウ化粧品 テスティモのテレビCMだった。「ねえ、kissしていい?」という大胆なコピーとともに画面いっぱいに映し出された彼女の唇と涼やかな瞳は、お茶の間に強烈な余韻を残した。この瞬間、大塚寧々という名前は全国区へと跳ね上がる。
同時期に出版された写真集『ルージュの戯れ』をはじめとするグラビア作品群は、今なおファンの間で伝説として語り草だ。過度な装飾を削ぎ落とし、素肌の瑞々しさと光の陰影だけで魅せるカットの数々。健康的でありながらどこか危険な香りをはらんだその佇まいは、当時のグラビア界の基準を塗り替えるほどの完成度を誇っていた。