記銘力とは?記憶力との決定的な違いと認知症を防ぐ最新チェック法

記銘力とは?記憶力との決定的な違いと認知症を防ぐ最新チェック法

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記銘力障害の原因を紐解くには、脳の記憶中枢である「海馬(かいば)」を中心としたネットワークの理解が欠かせません。

目や耳から入った情報は、側頭葉の内側にある海馬へと送られます。海馬は情報を一時的にプールし、大脳皮質へ送って長期記憶として定着させる「司令塔」の役目を果たしています。ところが、アミロイドβタンパクの過剰蓄積によって海馬の神経細胞が破壊されたり、脳梗塞などで血流が途絶えたりすると、情報の書き込み機能が停止してしまいます。

神経心理学において、記銘力が著しく破壊され、疾患や事故が発生した時点から以後の新しい出来事を一切記憶できなくなる病態を「前向性健忘(ぜんこうせいけんぼう)」と呼びます。かつて経験した過去の出来事や自分の名前、言葉の意味は覚えているのに、今出会った医師の顔や、数分前の出来事が一切記憶に残らない状態です。

代表的な原因疾患はアルツハイマー型認知症ですが、それだけにとどまりません。多量の飲酒歴による栄養障害からビタミンB1が欠乏して生じる「ウェルニッケ・コルサコフ症候群」、交通事故などの頭部外傷、帯状疱疹ウイルス等によるヘルペス脳炎、さらには一過性全健忘など、多岐にわたる病態が海馬回路を直撃します。原因の特定には、MRIによる海馬萎縮の確認や高次脳機能検査が不可欠です。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。