日本の地域文化を象徴する二大スタイル、関西風お好み焼きと広島風お好み焼きでは、キャベツの切り方に求められる役割が根本から異なる。生地と具材をあらかじめ混ぜ合わせて焼く関西風では、空気を含みやすい厚み3ミリほどの粗いみじん切りや短めの千切りが好まれる。生地の中でキャベツ同士が支え合い、熱の通り道となる隙間を作ることで、口の中で解ける独特の立体感が生まれるためだ。
対照的に、薄い生地の上に具材を積み重ねて蒸し焼きにする広島風お好み焼きでは、幅1.5ミリから2ミリ前後の均一な千切りが不可欠となる。長めで細めの千切りにすることで、鉄板の熱によってキャベツ自身の持つ水分がじっくりと蒸気へ変わり、甘みが凝縮されたしんなりとした層が形成される。スタイルに応じた切り方の選択こそが、本場の味を再現する最大のポイントといえる。