姿を消してなお、かつての宿泊者たちの記憶に強く刻まれているのが、当時の高いコストパフォーマンスと温かみのある接遇でした。大手宿泊予約サイトや個人の熊本東急REIホテルの宿泊記を振り返ると、同館の評価は総合4点台前半(5点満点)をコンスタントに維持しており、特にビジネスパーソンからの信頼は絶大でした。
利用者の満足度を牽引していた象徴的な要素が、熊本東急REIホテルの朝食です。館内レストランで提供されていた和洋ビュッフェでは、熊本名物の「太平燕(タイピーエン)」や具だくさんの「だご汁」、特産のからし蓮根など、本格的な郷土料理が朝から並び、出張客に重宝されていました。朝の光が差し込む落ち着いた空間で味わう地元食材の料理は、「熊本出張の定宿にする決定打」として多くのファンを獲得していたのです。
閉館が報じられた当時の熊本東急REIホテルのネットの反応を検証すると、SNS上では次のような惜別の声が溢れていました。
「辛島町の駅からアーケード直結で、雨の日の移動が本当に楽だった。フロントの対応も丁寧で、熊本出張の定宿だっただけにショックが大きい。」(40代・IT企業勤務男性の手記より)
「朝食バイキングの太平燕が美味しくて、熊本の味を気軽に楽しめた思い出。東急イン時代から家族旅行でお世話になっていたので、時代の終わりを感じる。」(50代・旅行愛好家の投稿より)
客室設備には昭和設計ならではのコンパクトさや経年劣化が見られたものの、スタッフの細やかなホスピタリティと立地の圧倒的な優位性が、利用者の高いロイヤルティを生み出していたことが客観的なデータからも裏付けられます。