作品を重ねるごとに、彼の演技は深みを増していった。特に高い評価を得たのが、安藤サクラ主演の傑作映画『百円の恋』である。自堕落な生活からボクシングを通じて這い上がろうとするヒロインの相手役として、冴えない元ボクサー・狩野役を好演。不器用で、身勝手で、しかしどこか見捨てられない男の悲哀をリアルに演じきった。
この緻密な芝居が高く評価され、彼は第38回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞する。哀愁漂う人間ドラマから苛烈な作品まで、作品の骨格を支えるバイプレイヤーとしての評価は決定的なものとなった。作品規模を問わず、現場のクオリティを一段引き上げる存在として、映画監督たちからの信頼は絶大だった。