ハラス料理の王道といえば、やはり塩焼きだ。シンプル極まりない料理だからこそ、塩の打ち方ひとつで仕上がりに天と地ほどの差が生まれる。
近年は水産加工業の冷凍・加工技術が飛躍的に進化し、鮮度を保ったまま高品質なハラスが全国へ流通している。しかし、解凍時やパック内でどうしてもわずかな水分が出る。焼く10分前に高めの位置から均一に塩を振り、浸透圧によって浮き出た余分な水分とアクをしっかり拭き取る。これだけで、身の繊維が引き締まり、旨味が凝縮される。
仕上げにすだちやカボス、あるいはたっぷりの大根おろしを添えれば、柑橘の酸味と大根の消化酵素が濃厚な脂をすっきりと中和し、最後の一口まで箸が止まらない極上の塩焼きが完成する。