ウォーキングは、正しく行えばウォーキングによる生活習慣病予防(動脈硬化、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病の抑制)やメンタルヘルス改善に絶大な威力を発揮します。しかし、全員に画一的な処方箋が当てはまるわけではありません。健康心理学と運動生理学の観点から、一日一万歩という目標に対する明確な判断基準を提示します。
一日一万歩を継続しても問題ない人
- 日常的にスクワット等の下肢筋力トレーニングを行い、関節を支える筋力が十分にある人
- すでに1万歩の歩行を半年以上継続しており、関節痛や慢性的疲労を一切感じていない人
- 仕事や生活環境の中で自然に歩行数が積み上がり、睡眠時間やリカバリー時間を削っていない人
一日一万歩を直ちにやめ、8,000歩へ見直すべき人
- 起床時に足の裏のかかと周辺に痛みがある、または階段の昇降時に膝に違和感がある人
- ウォーキングを理由に睡眠時間を削っている、あるいは日中に強い倦怠感を感じている人
- 「1万歩歩いたから」という理由で、甘い飲料や揚げ物などの間食が増えている人
- BMIが25以上の肥満傾向にあり、体重による関節への荷重ストレスが大きい人
運動行動における健全なセルフマネジメントとは、機械的な数値に支配されることではなく、自身のバイオフィードバック(疲労感、睡眠の質、関節の痛み)を尊重する「心理的境界線(バウンダリー)」を保つことに他なりません。