麺の食感を大きく左右するのが、伝統的な「手延べ製法」と工場での「機械製麺」の違いです。
JAS規格では、手作業で延ばす「手延べ」の場合、太さの規定が緩和され1.7mm未満であればそうめん・ひやむぎのどちらを名乗っても良いとされています。手延べ麺は生地に食用油(または澱粉)を塗り、熟成を挟みながら少しずつ細く引き延ばすため、グルテンの繊維が壊れず一本の方向に整います。これが、茹でのびしにくく強靭なコシを生む秘密です。
手延べそうめんの代表格である兵庫県の「揖保乃糸(いぼのいと)」には、帯の色で職人の腕前や原材料の質を表す厳格な等級(ランク)が存在します。
・赤帯(上級品):全生産量の約8割を占める最もスタンダードな定番品。
・青帯(特級品):上質の小麦粉を使い、12月から2月の厳寒期に限定して熟練職人が製造。
・黒帯(特級・ひねなど):専用倉庫で1年間じっくり熟成させ、コシと旨味を極限まで高めた高級贈答品。
・紫帯(三神):ごく一握りの熟練製造者のみが手掛ける、極細の最高級銘柄。
スーパーで購入する際は、パッケージに「手延べ」の表記があるか、機械による「乾麺」かを確認すると、好みの弾力やのどごしを選びやすくなります。