ブームの起点となったのは、ショート動画プラットフォームでのあるシンプルな動画だった。インフルエンサーたちがこぞってこの曲のサビに合わせた振り付けを投稿し始めると、それは瞬く間に一般ユーザーへと伝火。しかし、今回のトレンドが過去の「踊ってみた」系と一線を画すのは、動画の文脈にある。着飾らない日常、失敗した料理、あるいはペットとのぐだぐだな時間など、完璧ではない「ありのままの日常」を肯定するBGMとして、この曲が選ばれているのだ。
タイムラインを埋め尽くすのは、煌びやかなインフルエンサーの生活ではない。むしろ泥臭くも愛おしい、私たちのリアルな生活だ。その背景で流れるきゃりーの歌声は、不思議なほど現代人の乾いた心に染み渡っていく。