動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点から、ポンスキーという存在自体に批判的な声が寄せられることがあります。「人間のエゴで作られた不自然な犬種」「かわいそう」と言われる背景には、その交配方法と遺伝的リスクに関する深刻な事実が存在します。
第1の理由は、自然交配が物理的に不可能である点です。中・大型犬であるハスキーと超小型犬のポメラニアンが自然に交尾することはできません。仮に小型犬のポメラニアンを母犬にした場合、胎児が母体内で巨大化し、子宮破裂や難産で母犬が命を落とす危険性が極めて高くなります。そのため、ポンスキーの繁殖は「大型のシベリアンハスキーを母犬、ポメラニアンを父犬」とし、人工授精を用いて行うことが絶対条件となります。
母犬の身体的負担を考慮し計画的に行う優良なブリーダーが存在する一方で、外見の珍しさや高額転売だけを目的に、無理な人工授精や過密な出産を強いる悪質な繁殖業者が世界各地で問題視されてきました。自然の摂理に反する交配を人間の商業的都合で強いる構図そのものが、「人間のエゴであり犬がかわいそう」と批判を浴びる根源となっています。
第2の理由は、骨格や内臓のアンバランスさです。ハスキーの強靭で重い骨格遺伝子と、ポメラニアンの細く華奢な骨格遺伝子が不均等に組み合わさることで、関節や靭帯に異常な負荷がかかるリスクが指摘されています。「頭部は大きく重いのに、四肢の関節が細い」といった構造的アンバランスを抱えた個体は、若年期から関節炎や脱臼の痛みに苦しむことになります。こうした医療的背景を知らずに見た目だけで消費することへの警鐘が鳴らされ続けています。