「ドラクエの中で最もかわいいモンスターはどれか」という議論は、コミュニティ内で幾度となく交わされてきた普遍のテーマです。大手ゲームメディアのアンケートやSNS上のファンコミュニティを定点観測すると、歴代ファンの支持は明確な棲み分けを見せています。
圧倒的得票数で頂点を維持し続けているのは、やはりシリーズの象徴であるスライムです。もともと海外のテーブルトークRPGなどでは「ドロドロとした正体不明の不気味な怪物」として描かれていたスライムを、鳥山明氏が水滴のような愛らしいフォルムと大きな瞳、口角の上がった笑顔へ再定義したエピソードはあまりに有名です。このデザイン的転換がなければ、今日のモンスターカルチャーそのものが存在しなかったと言っても過言ではありません。
一方、2009年の『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』で初登場して以来、若年層や女性ファンを中心に爆発的な支持を獲得し、新世代の看板マスコットへと駆け上がったのがモーモンです。羊のような柔らかな巻き角、ピンクを基調とした淡い色合い、宙をふわふわと漂う仕草は、登場直後からファンアートやグッズ市場を席巻しました。2026年現在のキャラクターグッズ売り場でも、スライム系とモーモン系が常に棚のセンターを分け合っています。
さらに近年では、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』で登場した「クルッチ」をはじめとするヨッチ族が、そのどこか頼りなくも健気な姿で新たな癒し枠としてのポジションを確立しました。歴代のナンバリングごとに時代のエッセンスを反映したアイドルモンスターが誕生し、ファン層を拡大し続けています。