日常生活で足を組む、横座りをする、片肘をついてPC作業をする、あるいは片側の肩ばかりに重い荷物をかけるといった動作を繰り返すと、片方の腰方形筋だけが縮みっぱなしの状態(短縮固定)に陥ります。これが骨盤の左右差、いわゆる骨盤の歪みを誘発する引き金です。
短縮した側の腰方形筋は、骨盤をグッと上方に引き上げます。結果として「機能的脚長差(見かけ上の足の長さの左右差)」が発生し、立位時に片足へ過剰な体重がかかる悪循環が定着します。骨盤の水平が保てなくなると、体はバランスを取るために胸椎や頸椎を逆側に傾ける代償動作を起こし、肩こりや偏頭痛、股関節痛へと波及していきます。
さらに危険なのが、この緊張状態の限界で発生するぎっくり腰(急性腰痛症)です。縮んで弾力性を失った腰方形筋に対して、洗面所で中腰から身体をねじりながら顔を洗う、くしゃみをする、足元の物を横から持ち上げるといった「回旋+伸展」の複合刺激が加わると、筋線維や付着部の腱膜に急激な微小断裂が生じます。いわば、硬化したゴムバンドを限界まで引きちぎるような現象が、体幹の最深部で突発的に起きているのです。