既存の遊園地モデルに風穴を開けた象徴が、としまえん跡地に誕生した「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京」だ。ここには絶叫マシンもなければ、派手なパレードもない。来場者が求めているのは、緻密に作り込まれたホグワーツの大広間やダイアゴン横丁のセットを、自らの歩幅で確かめ、映画制作の裏側に触れる濃密な時間だ。
体験型アトラクションの基準値は、この施設を境に一段引き上げられた。ただ眺めるだけの展示会は退屈と見なされ、空間のディテールを肌で感じ、自らが映画のワンシーンに溶け込める仕掛けこそが人を呼ぶ。遠方のメガリゾートまで行かずとも、日常の生活圏からわずかに電車を走らせるだけで、異世界へのトリップが叶う。この手軽さと圧倒的なクオリティの両立が、目の肥えたレジャー愛好家たちを唸らせている。