今回の目玉展示として、開幕前から大きな話題を呼んでいたのが「ウィーン大学天井画(学部絵画)」のデジタル復元プロジェクトだ。1945年、戦火のなかでインモルフ城とともに炎上し、白黒写真しか残されていなかった悲劇の傑作である。
研究チームは、当時のクリムトの絵の具調合記録や同時期の作品の色彩データをAIに学習させた。さらに超高解像度のモノクロ原版から微細な銀塩粒子を解析。色再現度の精度を極限まで高めた巨大高精細スクリーンとして現代の空間に現出させた。『哲学』『医学』『法学』と題された巨大壁画が放つ圧倒的なエネルギーに、ただただ圧倒される。