セクシー路線の過熱は、当然ながら激しい社会的摩擦とメディア規制を引き起こしました。特に2014年前後は、KBS、MBC、SBSの韓国地上波テレビ3社が相次いで審議基準を厳格化。「未成年者への悪影響」や「過度な性的描写」を理由に、多くのグループの振付に対して実質的な放送禁止(修正勧告)処分を下す事態へと発展しました。
当時、規制の対象となった具体的な振付パターンには明確な特徴がありました。床に這いつくばって腰を波打たせる動作、胸や臀部を直接手で撫で下ろすポーズ、衣服のジッパーを開閉する演出などが一律で「不適切」と判断されたのです。具体的には、以下のようなグループが楽曲プロモーションの現場で修正を余儀なくされました。
- AOA(『Miniskirt』『Short Hair』):スカートのジッパーを上げる仕草や、床に寝そべって脚を組む振付が地上波審議に抵触。音楽番組ではジッパー演出をカットし、立ち姿中心の振付へと急遽差し替えられました。
- Girl's Day(『Something』):床に膝をついて羽を撫でるようなイントロの振付が過激とみなされ、地上波バージョンでは立ち上がった状態でのパフォーマンスに変更されました。
- Dal★Shabet(『B.B.B』):胸元を強調するジャケットの開閉アクションが修正対象となりました。
- Stellar(『Marionette』):MVの過激な露出衣装とタイツ越しの刺激的な振付が激しい炎上を巻き起こし、地上波では衣装と振付の全面的な変更を強いられました。
音楽プロデューサーや振付師の証言によると、これらの規制は制作陣にとって大きな打撃であった一方、「MVやネット限定のオリジナル版」と「テレビ向けの修正版」という2つのバージョンが存在すること自体がファンの間で話題を呼び、結果として楽曲の再生回数や知名度を跳ね上げるという皮肉なメディア効果も生み出していました。