モンタージュ写真や不気味な似顔絵が人々に与える衝撃は、日本国内にとどまらない。全米を震撼させ、今なお多くの謎を残す「ゾディアック事件」の容疑者スケッチもまた、世界中で知られる恐怖のアイコンだ。丸メガネに黒いフード、無表情な唇。その素朴極まりない描画が、かえって犯人の異常性を際立たせた。
近年、ストリーミングサービスにおいて「トゥルー・クライム(実際に起きたドキュメンタリー犯罪劇)」ジャンルが空前のブームを迎えている。NetflixやHBOといったグローバルメディアが競って配信する実録犯罪番組では、当時の警察資料やモンタージュ画像が効果的に演出として組み込まれている。
高画質な映像美の中で突如として画面に映し出される、昭和や70年代アメリカのアナログなモンタージュ写真。その粗い画質と不気味な造形は、現代の視聴者に対してノスタルジーと毛羽立つような恐怖を同時に与え、コンテンツの緊張感を跳ね上げる極めて強力なフックとなっている。