第一勧業銀行や四大証券を手玉に取った小池隆一とは、いかなる経歴を持つ人物だったのでしょうか。小池は1943年生まれ、若くして大物右翼や大物総会屋の系列に身を置き、株主総会の現場で発言力を誇る実戦部隊として頭角を現しました。その後、有限会社三進興産などの関連会社を設立し、実質的な総会屋グループの首領として企業への影響力を急速に拡大させていきます。
では、小池隆一はなぜ逮捕されたのか。その直接の容疑は、旧商法が厳格に禁じていた「株主の権利行使に関する利益供与の受託」です。しかし、検察が踏み込んだ背景には、より深刻な金融界の病理がありました。
小池は単に総会で怒号を上げる旧来型の総会屋ではなく、各社の株式を数百万株単位で保有する「大株主」として振る舞いました。第一勧業銀行の内部にあった旧第一銀行出身者と旧日本勧業銀行出身者の激しい主導権争い(派閥抗争)や、過去の不正融資の実態を把握し、「それを総会の場で公にされたくなければ資金を出せ」と迫ったのです。銀行側は一度弱みを握られると蟻地獄のように要求を断てなくなり、ダミー会社を介した無担保融資を重ね、その資金が四大証券へ還流して損失補填に充てられるという極めて悪質なマネーロンダリングの環が完成していました。