ネット検索で「無印 バターチキンカレー」と入力すると、関連ワードに「改悪」「薄い」「変わった」といったネガティブな検索候補が表示されることがあります。この現象はなぜ起きるのでしょうか。フードマーケティングおよび消費心理の視点から分析すると、3つの構造的な要因が浮かび上がります。
第1の要因は、「記憶の美化と舌の慣れ」です。初めて無印良品のバターチキンカレーを食べたときの強烈なインパクトは、リピートするうちに日常の味へと変わります。人間は油脂と塩分、砂糖の強い刺激を「濃い味覚」として記憶しやすいため、ヘルシーかつ本格的なスパイス構成へと洗練された現行モデルに対して、「以前よりあっさりした=薄くなった」と錯覚しやすいのです。
第2の要因は、「無印良品 バターチキンカレー ギー トマト」の比率変化です。原材料の先頭近くに並ぶトマトの種類が、ピューレだけでなくダイスカットや複数産地のブレンドへと多重化されたことで、口に含んだ瞬間のトップノートが「バターの脂質」から「トマトの爽快なアロマ」へと変化しました。これは味覚設計の高度化ですが、昔ながらの欧風カレー的な濃厚さを求めていた層にとっては、ギャップとして受け止められました。
第3の要因は、「辛さレベルの認知のズレ」です。「無印 バターチキンカレー 辛さ レベル」は公式で「2辛」に設定されていますが、インド料理店で激辛チキンカレーを食べ慣れているスパイス愛好家からは「甘すぎる」と評され、完全な甘口カレーを期待して購入した激辛完全NG層からは「ピリッと香辛料の後味が残る」と評されるという、人気商品ゆえのターゲット層の広さによる認識の幅が生じています。