日本眼炎症学会や臨床医療機関のアーカイブ、さらには患者コミュニティの手記を調査すると、早期受診によって救われたケースと、受診の遅れによって重い後遺症を残したケースの差が浮き彫りになります。
都内の眼科専門医が語る手記には、次のような生々しい証言が記録されています。
「『右目の端に黒い糸くずが見えるな』と思いながら仕事を優先し、3日後に視界の下半分が真っ黒になって駆け込んできた40代の男性患者さんがいました。来院時には網膜の中心である黄斑部まで剥がれており、手術で復位できたものの、術前の視力1.2から0.3まで低下し、歪み(変視症)が残存することになりました。あと2日早ければレーザー治療のみで日常生活への影響を最小限に抑えられたケースです。」
一方で、SNSや闘病ブログでは「夜間に稲妻のような光が見えた違和感を見逃さず、翌朝一番で瞳孔を開く散瞳眼底検査を受けたことで、網膜に裂け目ができた直後に発見できた」という報告も多数存在します。網膜剥離は痛みを感じる神経が存在しないため、「痛くないから大丈夫」という誤った安心感が受診遅れを招く最大の要因です。