現在、日本のスペシャリティコーヒー業界は成熟期を迎え、豆の産地や処理方法だけでなく「いかに素材の個性を引き出すか」という焙煎技術の競い合いが激化している。その中で同店がこだわり抜くのが、豆本来のフルーティーな風味を極限まで残す浅煎りから中浅煎りのプロセスだ。
店舗中央に鎮座する1960年代製のヴィンテージPROBAT焙煎機。現代のデジタル制御機にはない独特の熱伝導率を持ち、熟練のロースターの手によって豆一粒一粒に均一な熱が加えられる。抽出にも余念がない。豆の挽き目、湯温、抽出速度を気候に合わせてミリ単位で微調整。クラフトマンシップが結実した一杯は、コーヒー好きを唸らせる深みを持っている。