ルノルマン占術の到達点にして真骨頂とされるのが、36枚すべてのカードを一斉に卓上へ並べる「グランタブロー(Grand Tableau)」です。「大きな絵画」を意味するこのスプレッドは、質問者の人生全体、過去・現在・未来、取り巻く人間関係や隠された罠を、1枚の巨大なタペストリーのように一望化します。
展開法には大きく分けて2つの伝統的レイアウトが存在します。
- 8×4+4方式:横8枚×縦4列を並べ、最下段の中央に4枚のカードを配置する伝統様式。最後の4枚が「宿命的結末」「最終メッセージ」として際立つ。
- 9×4方式:横9枚×縦4列で完全に四角形を埋めるモダン様式。全体的な幾何学的バランスとカード同士の対称性を読みやすい。
グランタブローにおいて最も高度とされるのが「ハウス読み(ハウスシステム)」です。これは、1番から36番までのカードの定位置をあらかじめ「ハウス(座)」として固定し、そのハウスの上に「実際にどのカードが置かれたか」を掛け合わせて分析する技法です。
例えば、結婚や契約を司る「25番:指輪のハウス」に、突然の切断を意味する「10番:鎌」が飛び込んできた場合、質問者が既婚者であれば離婚危機、ビジネスマンであれば提携解消の予兆と読み取ることができます。さらに、質問者を表すカード(28番:紳士、または29番:淑女)がどのハウスに入り、その周囲4方向・斜め4方向に何が配置されているかを検証することで、その人物の心理的関心事や背後で暗躍する人物の正体までが浮き彫りになります。