Q1:金利をマイナスにすれば、流動性の罠は回避できるのではないですか?
A1:中央銀行が民間銀行の預金の一部にマイナス金利を適用することは可能ですが、個人や企業が保有する現金の金利をマイナスにすることはできません。預金金利を大幅なマイナスに設定しようとすれば、人々は銀行から預金を引き出して物理的な紙幣(タンス預金)に逃避させてしまうため、マイナス幅には物理的な限界(実効下限金利)が存在します。
Q2:量的緩和でお金をたくさん刷ったのに、なぜハイパーインフレにならなかったのですか?
A2:日銀が供給したマネーの大部分は「日銀当座預金」という民間銀行の口座に積み上がっただけで、市中の企業や個人への貸出(信用創造)として実体経済に流れ出なかったためです。流動性の罠の最中では貨幣の流通速度が極端に低下するため、供給量が増えても物価暴騰には直結しませんでした。
Q3:一般家庭にとって、流動性の罠が終わる(金利が上がる)ことは良いことですか?
A3:一長一短があります。銀行預金の利息が付くようになる点はメリットですが、住宅ローンや自動車ローンの借入金利が上昇する痛みを伴います。さらに、企業の資金調達コストが上がることで、競争力のない企業の淘汰が進む可能性もあります。持続的な賃上げが金利上昇ペースを上回るかどうかが生活防衛の分岐点となります。