フタを装着することで「完全に外気と遮断されて清潔が保たれる」と信じ込まれがちですが、ここには衛生管理上の重大な死角が存在します。特に注意が必要なのが、手口ふきや純水99%のおしりふきといった「ノンアルコール製品」におけるカビの発生です。
ウェットティッシュの袋内部は湿度100%の超高湿環境です。もともと製品には極めて低濃度の防腐剤(フェノキシエタノールやパラベンなど)が含まれていますが、市販パックに備え付けられているオープンシールを完全に剥がし、大きすぎる開口部を作ってしまうと、空気中の浮遊カビ菌や手の常在菌(黄色ブドウ球菌など)が内部へ一気に侵入します。
「子供の手口ふきを久しぶりに開けたら、フタの裏側のパッキン溝に黒カビが点々と生えていた」という相談が保健衛生機関にも寄せられています。密閉性が高まるほど、一度入り込んだ湿気と菌は逃げ場を失い、温かい室内環境で一気にコロニーを形成します。
衛生事故を未然に防ぐ決定的な対策は以下の2点です。 第一に、パック本体のシールを全開にせず、「シートが出る最小限の面積(中央部のみ)」を残して切り取ること。第二に、パックを交換するタイミングで、フタの裏側のヒンジ部分をエタノール消毒綿で拭き上げ、水分を拭き取ってから新しい袋へ付け替えることです。