うさぎの耳はデリケートであり、日常の異変を放置すると重篤な神経症状に直結することがあります。臨床現場で頻繁に遭遇するうさぎの耳の病気サインまとめとして、特に警戒すべき2大疾患が「耳ダニ感染症」と「外耳炎」です。
うさぎの耳ダニ感染症は、主にウサギキュウセンダニ(Psoroptes cuniculi)の寄生によって発症します。寄生されると激しい痒みが生じ、耳の穴の中にまるで「乾燥したコーヒーかす」や「幾重にも重なった分厚いパイ生地」のような独特の褐色の痂皮(かさぶた)が蓄積します。無理に剥がすと皮膚が出血して激痛を伴うため、駆虫薬(セラメクチン等のスポット薬)を投与して自然脱落を待つのが標準治療です。
一方、細菌や真菌の増殖によって起こるうさぎの外耳炎症状では、耳の根元の赤み、黄白色のドロッとした分泌物、悪臭などがみられます。これを放置すると炎症が鼓膜を破って中耳・内耳へと波及し、平衡感覚を司る前庭系が破壊されて「斜頸(首が傾く)」や「眼振(目が左右に揺れる)」、「ローリング(回転して起き上がれない)」といった深刻な後遺症を招きます。
特に、垂れ耳が特徴的なホーランドロップやフレンチロップなどの品種は、立ち耳の品種に比べて外耳道が屈曲して狭く、湿気がこもりやすいため構造的にリスクを抱えています。ロップイヤーの耳トラブル予防には、週に1回は耳の付け根を持ち上げて内部の臭いや分泌物の有無を目視確認し、定期的な獣医師による耳道チェックを習慣化することが決定打となります。