Q1:患者が「鼻の奥が熱くて痛い、外したい」と訴える場合、加温加湿器の設定温度を下げても良いですか?
A1:自己判断で安易に加温加湿温度を下げるのは避けてください。37℃から34℃や31℃などに設定を落とすと、ガス中の絶対湿度が急激に低下し、気道粘膜の乾燥や強固な喀痰閉塞を引き起こす危険があります。まずは回路内の結露が鼻孔に溜まって熱刺激を与えていないかを確認し、結露水を速やかに排水してください。それでも熱感が強い場合は、医師・臨床工学技士と相談の上、病態に合わせて慎重に温度調整を検討しますが、加湿不足による繊毛運動停止のリスクを天秤にかける必要があります。
Q2:ネーザルハイフロー装着中に患者が食事を摂取しても本当に誤嚥しませんか?
A2:高流量ガスが咽頭を通過しているため、誤嚥のリスクはゼロではありません。食事を開始する際は、まず患者の覚醒状態と嚥下機能の事前評価が前提となります。経口摂取の直前には、一時的に流量を可能な限り低減(例:40L/minから20L/min程度へステップダウン)させることで、嚥下時の喉頭蓋閉鎖運動への気流の物理的干渉を和らげる手法が臨床上有効です。摂取中はむせこみや呼吸パターンの乱れがないかをマンツーマンで注意深く見守り、食後は直ちに元の治療流量へ復帰させます。
Q3:夜間帯にSpO2が急に低下した場合、看護師はまずどこからトラブルシューティングをすべきですか?
A3:まずは「患者のフィジカル(胸郭の動き、チアノーゼ、意識レベル)」と「プロングの装着状態」を同時に確認してください。最も多い物理的トラブルは、睡眠中の体動によるプロングの鼻腔からの脱落、あるいは完全な開口呼吸への移行です。次に、機器側の酸素供給ホースの外れ、加温加湿チャンバーの空焚き、回路内結露水による流路のウォーターハンマー(水滴による閉塞音)の有無を確認します。機器と装着に問題がないにもかかわらずSpO2低下と呼吸数増加が生じている場合は、無気肺の悪化、気胸の発症、痰による中枢気道閉塞などの急変を疑い、直ちに当直医師へコールして血液ガス分析とポータブル胸部X線検査を手配してください。