彼の物語を語る上で避けて通れないのが、主人公・緑谷出久との関係性の変化だ。幼少期のいじめっ子という立ち位置から、自らの弱さと向き合い、過ちを認めて深々と頭を下げるまでのプロセス。あれほど劇的で、かつ繊細に描かれた贖罪のドラマが、かつてこれほどの大作で描かれたことがあっただろうか。
ただ謝罪して終わりではない。己の過ちを胸に刻み、背中を並べ、真の相棒として戦場に立つ。その苦々しいまでの自己変革こそが、視聴者に強いカタルシスをもたらした。人は変わることができる。過ちを抱えたまま、より高く跳ぶことができる。彼の物語は、息苦しい現代社会を生きる人々への強いエールとなっている。