映像配信大手Netflixが公開した話題作『アンストッパブル:アスリートの限界に挑む減量密着』は、アスリートが控室の床で痙攣し、冷や汗を流しながら計量台へ向かう舞台裏を赤裸々に映し出した。唇はひび割れ、声はかすれ、目は落ち窪む。あの映像に衝撃を受けた視聴者は少なくないはずだ。
問題は、この極限のパフォーマンス調整が誤った形で一般に浸透してしまったことにある。急成長を続けるフィットネス・ヘルスケア産業の片隅で、「数日で3キロ落ちる裏技」といった甘い言葉に変換され、基礎知識のない一般人が安易に真似をし始めている。プロが「競技人生を賭けて行う短時間の脱水」と、一般人が求める「健康的な体脂肪の減少」は、根本から別物であるという事実が抜け落ちているのだ。