退職届の作成にあたり最も重要となるのは、パワハラ退職理由の書き方において「会社側の安全配慮義務違反やハラスメント行為が原因である」事実を客観的かつ簡潔に明記することです。感情的な罵詈雑言を書き殴るのではなく、法的な退職意思の確定事由として淡々と記す姿勢が求められます。
以下に、行政機関(ハローワークや労働基準監督署)への提出や法的手続きを視野に入れた、実務で効力を発揮する会社都合退職の例文を提示します。状況に応じて選択してください。
【文面パターン1:標準形(ハラスメント被害を明記する書式)】
退 職 届 株式会社〇〇〇〇 代表取締役 〇〇 〇〇 殿 私儀 貴社〇〇部〇〇課における〇〇氏からの度重なるパワーハラスメント(暴言および業務強要)により健康状態が悪化し、就労の継続が極めて困難となったため、会社都合により令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。 令和〇年〇月〇日 〇〇部〇〇課 氏名 印
【文面パターン2:会社の改善不履行・安全配慮義務違反を突く書式】
退 職 届 株式会社〇〇〇〇 代表取締役 〇〇 〇〇 殿 私儀 社内相談窓口(または人事部)に対し令和〇年〇月〇日付で職場内ハラスメントの事実を申告し労働環境の是正を求めましたが、適切な是正・改善措置が講じられず、就労環境が是正されなかったため、会社都合により令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。 令和〇年〇月〇日 〇〇部〇〇課 氏名 印
作成にあたっては、以下の3原則を厳格に順守してください。
第一に、「退職願」ではなく「退職届」と記載すること。退職願は「退職を合意解約してください」という申し込みであり、会社に承諾・拒否の余地を与えてしまいます。一方、退職届は労働者からの一方的な意思表示であり、会社の承諾を必要としません。
第二に、提出前に必ず現物の表裏両面をスマートフォンで高解像度撮影するか、鮮明なカラーコピーを2部確保しておくこと。会社側が受領後に「そのような退職届は受け取っていない」「紛失した」と隠蔽を図る事例が頻発しているためです。