なぜこの楽曲は、これほどまでに子どもの心を捉えて離さないのか。その答えは、楽曲制作陣の緻密な計算と芸術的感性にある。作詞を手掛けた遠藤幸三は、子どもたちが直感的に情景を浮かべられる言葉を並べ、物語性のある世界観を完成させた。従来の型にはまった童謡とは一線を画し、擬音や擬態語を効果的に配することで、歌うこと自体が身体表現へと繋がるストーリーを構築したのだ。
そこに命を吹き込んだのが、作曲を担当した乾裕樹による美しくも力強い旋律だ。乾はジャズやフュージョン、映像音楽の深い知見を活かし、幼少期の子どもが心地よく感じるリズムと転調を計算し尽くした。ぞうが大きなあくびをするダイナミックなスケール感が、高度な音楽的バックボーンによって支えられているからこそ、大人が聴いても耐えうる芸術性が漂っている。