インターネット上の掲示板やSNSでは、アナウンサーがテレビに出演しなくなると「不祥事で干された」「上層部を怒らせて左遷された」といった根拠のない憶測が飛び交いがちです。しかし、内部関係者の証言を突き合わせると、これらは視聴者の大きな誤解であることが分かります。
テレビ局内部においてアナウンス部はひとつの部署に過ぎず、定期的な人事異動による「総合職への転換」は一般的なキャリアパスです。アナウンス部から報道局の政治部記者、社会部記者、ドキュメンタリー番組のディレクター、あるいは編成局やコンテンツビジネス局へ配置転換されるアナウンサーは毎年一定数存在します。現場の取材力や言葉を紡ぐ能力を高く評価され、プロデューサーとして敏腕を振るっている元アナウンサーは業界内に無数に存在しており、彼らを「消えた」と表現するのは実態から完全に乖離しています。
また、注目すべきは地方局移籍アナウンサーの動向です。東京のキー局における過酷な視聴率競争や昼夜逆転の生活にピリオドを打ち、地方局の専属キャスターや契約アンカーとしてUターン・Iターンを果たす事例が増えています。地方都市では局の顔として圧倒的な影響力を持ち、自治体のPRや地域活性化イベントの要として重用されるため、ワークライフバランスとやりがいを両立できる「勝ち組の選択肢」として再評価されています。