こうした事態に対し、通信インフラ側も手をこまねいているわけではない。2026年に入り、日本の主要通信キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル)は警視庁との連携を強化し、国際標準の送信者検証プロトコル(STIR/SHAKEN)を本格導入した。
これにより、海外のIP電話を経由して日本国内の市外局番や「090/080」になりすます番号偽装(スプーフィング)の多くがネットワーク段階で自動遮断されるようになった。しかし、攻撃者側も一枚上手だ。偽装が難しくなったことで、近年は海外の転送業者を経由した実在するプリペイドSIMカードの分散利用や、国内の空き家電話回線を乗っ取る手法へと巧妙に変化している。テクノロジーによる防衛線と犯罪組織のいたちごっこは、今まさにピークを迎えている。