インターネット上の掲示板やSNSでは、名古屋コーチンの卵に関していくつかの誤解や不正確な情報が散見されます。消費者が最も混同しやすいのが「有精卵」の価値と、「純系」に関する表示のルールです。
ネット上ではしばしば「有精卵のほうが無精卵よりも格段に栄養価が高い」という言説が語られますが、食品分析センター等の科学的データによれば、有精卵と無精卵で主要な栄養成分(タンパク質、脂質、ビタミン類)に有意な差はありません。有精卵が評価される真の理由は、オスとメスを同居させて自由に運動させる平飼い環境で育てられている点にあり、過密飼育を排した健康的な育成環境が卵の鮮度保持力や風味のクリアさに寄与しているというのが現場の真実です。
また、名古屋コーチン有精卵の入手経緯には厳格な背景が存在します。名古屋コーチンは愛知県が種鶏(親鶏)の血統を厳正に管理しており、無許可での雛の孵化や増殖は固く禁じられています。そのため、市販されている有精卵は「食用」として流通基準を満たしたものに厳密に限定されており、孵化実験用や愛好家向けに販売されるケースはごく限られた指定農場からの直販ルートに限られます。
さらに注意すべきは「名古屋コーチン配合卵」のような曖昧な表示です。愛知県が定める正規基準をクリアした卵には、必ず「純系名古屋コーチン」の認証マークや生産農場明記のシールが貼付されています。他品種と交配させた雑種卵が安価で紛れているケースもあるため、購入時には血統保証の記載があるかを必ず確認することが賢明です。