なぜ今、人々はここまで社交界という舞台に心奪われるのか。その火付け役となったのは、間違いなく配信プラットフォームを席巻した一大エンターテインメントである。
Netflixが世界に放った『ブリジャートン家』は、19世紀初頭のロンドン社交界を大胆かつ現代的な感性で描き出し、記録的なメガヒットを打ち立てた。作家ジュリア・クインのベストセラー小説を原作とし、フィービー・ディネヴァー演じるダフネが社交界へと足を踏み入れる姿は、古き良き英国貴族の伝統を極彩色のポップカルチャーへと昇華させた。
花嫁候補としてお披露目されるデビュタントたちの初々しい緊張感。完璧なマナーと教養、そして家柄のすべてが値踏みされる舞踏会。この時代劇ロマンスは、単なるノスタルジーにとどまらず、閉ざされたハイソサエティへの強烈な憧れと好奇心を現代の視聴者に植え付けたのだ。