漫画でキャラクターが激怒した際、吹き出しの中に「@#$%&!」や「☆〇×%$#!」といった文字列が並んでいるのを見たことがあるでしょう。言葉にできない激しい罵倒や放送禁止用語、あるいはパニック状態を表現するこの手法には、実はデザイン用語として正式な名称が存在します。
アメリカの漫画研究家モーと・ウォーカー(Mort Walker)が提唱した専門用語では、これを「グラウリクス(Grawlix)」と呼びます。1900年代前半のアメリカン・コミックス(カートゥーン)において、過激なスラングや下品な罵り言葉を子ども向け出版物で直接表記できない制約を回避するために誕生しました。
この記号群に決まった「日本語の読み方」は存在しません。あえて言語化するならば「ピー音」「伏字」「フガフガ」「ぐぬぬ」といった、発声にならない怒りの咆哮やうめき声を視覚化したものといえます。日本の漫画界でも手塚治虫をはじめとする黎明期の巨匠たちによって積極的に取り入れられ、現在では「何言ってるかわからないほどの感情爆発」を伝えるおなじみの漫符として定着しています。