吉備中央町をめぐり、全国のニュースで最も注目されたのが水道水における高濃度の有機フッ素化合物(PFOS・PFOAなど総称PFAS)検出問題です。事態の発端から現在の対策に至るまでの経緯を正確に整理します。
問題が表面化したのは2026年秋。町内の円城浄水場水系において、国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノグラム)を大幅に超過する最大で目標値の数十倍に達するPFASが検出されたことが公表されました。これにより、対象地域では直ちに飲用制限や給水車による応急給水が実施され、地域社会に大きな衝撃を与えました。
岡山県および町による詳細な水質調査と土壌・河川の追跡調査の結果、浄水場の上流にあった民間資材置き場に野積みされていた大量の「使用済み活性炭」が流出源であることが突き止められました。産業廃棄物として適切に処理されず放置されていた活性炭から、雨水などを通じて有害物質が地下水や河川へと溶出していた実態が明らかになったのです。
行政は速やかに対策へ乗り出し、発生源となった活性炭の撤去・行政代執行の手続きを進めるとともに、円城浄水場水系からPFASが検出されない別水系への水源切り替えを完了させました。2026年現在、供給される水道水は目標値を大幅に下回る安全な水準を安定して維持しており、町内各所での定期的な水質モニタリング結果も随時公開されています。また、対象地域の住民を対象とした血中濃度検査や継続的な健康相談窓口の運営など、住民の不安解消に向けた医療・福祉的な追跡体制が続いています。