仮に本物の初版原本であったとしても、買取査定額は「保存状態(コンディション)」によって数倍から十倍以上の開きが生じます。鑑定士が厳密にチェックする主な要素は以下の通りです。
第一に「元函(外箱)の有無」です。明治期の書籍の函は脆いボール紙で作られていたため、現存しているケースが極めて稀です。函が3巻すべて残っている個体はそれだけで査定額が跳ね上がります。
第二に「表紙・背表紙の破損と補修歴」です。背表紙の布クロスの剥がれや金箔の薄れ、過去の所有者によるセロハンテープでの杜撰な補修がある場合、評価は大きく下がってしまいます。逆に、未改装のままオリジナルの状態を保っているものは高額査定の対象です。
第三に「蔵書印や書き込み」です。著名人の旧蔵書であればプラス評価になることもありますが、一般的な記名や図書館の除籍印などは減額要因となります。虫食いや水濡れ(ウォータースポット)の有無も厳格に確認されます。